#strobofm ep.27にて紹介されてて,即買いしてから積読していた本で,ようやく読了した.
Kindle 版はなく,普段紙の本は買わないようにしている自分としては久々の紙本だった. 湯船に浸かりながら読んでいてたらシワシワになってしまった.
認知心理学用語
短いマンガの後に,認知心理学的視点の解説を入れるという形式の本でとても読みやすかった.
行動経済学者リチャード・セイラーは,普段の生活の中で,非合理的な行動を起こしそうな時,私たちをナッジ= nudge i.e. 注意をひくために,人を肘でそっと小突いて知らせるためのものになっていくべきだ,という考え方を示している
下記,目次+α 抜粋
- アンダーマイニング効果(報酬が動機を阻害する)
- 感動度逓減性(母数によって変わる価値)
- フレーミング効果(枠組みを変えると価値が変わる)
- 社会を成立させているのは,モラルかお金か(罰金による罪の意識の軽減)
- メンタル・アカウンティング(心の中で,お金の価値を計算する)
- アンカリング効果(基準が判断に影響を及ぼす)
- 代表性のヒューリスティック(私たちはイメージに囚われる)
- おとり効果(選択肢を生み出すことで,市民権を得る)
- 親近効果(終わりよければすべて良し)
- 極端回避(ついつい真ん中を選んでしまう)
- 保有効果(一度手にとった物は,手放したくなくなる)
- プライミング効果(事前の情報が解釈を左右する)
- ハロー効果(顕著な特徴だけで,物事を見極める)
- 上昇選好(だんだん良くなる方を好みます)
- 目標勾配仮説(ゴールに近づくほど,人間は「やる気」を起こす)
- 同調行動(集団の判断が,自分の判断を歪めてしまう)
- 認知的不協和の解消(不満な気持ちのバランスを散る)
- 参照点依存性(基準に引っ張られて,価値が変わる)
- 錯誤相関(関係ないこと同士に,関係があると思いこむ)
- 無料による選好の逆転(「タダ」が判断を狂わせる)
- プラセボ効果(信じ込むことで,感覚さえも変えてしまう)
- 双曲割引(自分との距離が遠ければ,差を感じない)
- サンク・コスト効果(一度費やしたコストを考えて止められずにさらなる深みに陥ってしまう)
- デフォルト効果(初期値からわざわざ変えようとしない心理現象)
- フォールス・コンセンサス(自分の意見が一般的だと思い込み,他者の意見を非常識と思い込んでしまうこと)
- ピーク.エンドの法則(最も強い印象と最後の終わった瞬間の印象を,平均してしまう)
- 確実性効果(完璧さに対して過剰に反応するあまり,費用対効果を無視して100%にすることに固執してしまうことがある)
- 確証バイアス(直感で正しそうな答えを発見すると,それに固執し別の可能性を頭から排除してしまう)
- 決定回避の法則(多数の選択肢を持つことは,一見,自由さの象徴のように思えますが,実際には多すぎる選択肢を生む迷いや戸惑いが決定を遠ざけてしまう)
- 少数の法則(少ないサンプルによる偏った結果を,何故か正しいと思い込んでしまう)
- プロスペクト理論(利得・損失が関わる状況になると,主観的な評価が入り非合理的な判断をしてしまうことがある.例:同じ量の得と損を比較した時に,損の方を2倍も重大に感じてしまう傾向がある)
- 利用可能性ヒューリスティック(たまたま自分がそれ以前に見聞きして頭に思い浮かべやすかった事柄に影響される)
認知的不協和
「認知的不協和」は自分にとって不都合なときに生まれる心の中の不快感のことを指す.この不協和を解消するために,本当はよい思ってもいない行動や言動をして心のバランスをとろうとする習性が人間にはある.
rebuild.fm でよく言及されていて,開発現場でもよくあるよなぁという印象が強い.
- Aftershow 73: One-Letter Sushi (N, naan, naoya)
- Aftershow 85: Rebuild Tour (naan, hak)
- 137: Tested In Production (naoya)
関連書
行動経済学系の本は,アメリカのデューク大学の教授 ダン・アリエリー氏の本が有名らしい.ニューヨーク・タイムズでベストセラーになった「予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」」を買ってみた.