2019 年は業務で英語を使うための準備し、2020 年は実際に業務で英語を使うようになったこの 2 年間を振り返る。結論、1 年間英会話をして準備していたが実際はあまり役立たなかった。やみくもに準備に時間をかけるよりも、実践して必要なことがわかってからそれにフォーカスした対策をした方がよいという話。
2019 年
- 1年間毎日英会話やってたがあまり意味がなかった。
- 意味があったのは体感 30 %くらい (後述)
- このやり方であれば準備は 3 ヶ月とかもっと少なくても変わらなかったと思う
- ※ 前提
- 英語を使い業務を遂行できることが第一目標、TOEIC などの試験で点を取ることは考えていない
- 業務はソフトウェア開発、読み書き・会話が英語になる
- 複数人のチーム
何がよくなかったか
1. 考えて話す機会が少ない
DMM 英会話ではフリートーク・デイリーニュースを中心に題材を選択していた。フリートーク(20 %)、デイリーニュース(60 %)、その他教材(20 %)という割合だった。フリートークでは「その国で流行っているスマホアプリは?」というテーマで話していた。毎回違う先生を予約していたので同じ話題で問題はなかった。デイリーニュースではニュース本文を音読して、質問に答えるという内容だった。実質、十数分以下しか話せていない。
ただ話を聞いているだけ、書いてあるテキストを読んでいるだけでは身につかない。相手が話すのを聞いている時間より自分が話すチャンスを意識的に増やす、内容を要約して伝えるといった頭を使う学習方法の方が効果的だったと思う。
2. 使わない/間違ったフレーズを覚えてしまう
業務と関係ない内容で学習していても、業務には直接活きないのは容易に想像がつくだろう。目的にフォーカスした内容を優先して学習するべきだった。実際の業務で「盆栽」の話をすることなどない。
これ日本語でディスカッションするのもムズイw
— tanakaworld 🧢 (@_tanakaworld) February 25, 2019
"$90,000 Bonsai Tree Stolen in Saitama"https://t.co/6acxa3Bhip
文法が間違っている時にそれに気づかず話しつづけてていたこともよくない。DMM 英会話の機能で講師から指摘の頻度を上げてもらうオプションがあったがそれを指定していても意味が通じれば何も言ってこないケースが大半だった。ニュアンスが通じればそれでよい説はあるとは思う。しかしそれ止まりでは効率が悪い。
3. 復習をしていない
言わずもがな、何度か繰り返し復習をしないと忘れていく。盆栽の話を復習したところでそこまで効果はなかったと思うが。単語やフレーズを、業務のフォーマットに変換した上でインプットするなどの工夫が必要である。
ただやるだけでも身についていたこと
2020 年から業務で英語を使い始め「あまり意味がなかった」ということにすぐに気がついた。しかしその中でも役に立ったなと思うこともあり、それは体感 30 %くらいだった。残り 70% は実践をやることでしか身につかなかった。身についていたことは次の通り。
- リスニング力
- 発音
- 瞬発力(どうにかする力)
英語話者の話していることを頭で理解するという行為を繰り返す過程でリスニング力はついていた。英語耳で繰り返し発音を学習し、それを会話で実践することで、意識しなくても正しい発音になるようになった。自分発音できる音は聞き取れるという状態になっている。
自分から何かを話し続ける・相手の問いかけに何かをレスポンスするというのを瞬発的にできるようになった。文法は間違っていてもコミュニケーションが成り立つようにはなっていたと思う。よい言い回しが出てこなくても、語彙をつなげてなんとかして伝える「どうにかする力」とも言えるかもしれない。このコミュニケーションスタイルは時間がかかる点とニュアンスがうまく伝わらないときがある点で効率が悪い。
2020 年
下記、雑なメモ。
前半
- カナダ出身の W 氏がチームにジョインした
- 自分はメンターとなり同じプロジェクトで一緒に開発することになった。一応、英語だけで業務を推進することはできたが、もっとこうしておけばよかったということが大半だった
- やってみないと本当に必要なことはわからない
- 自分だけが英語を話せてもダメでチームとしての受け入れ体制が必要だった。ドキュメントを英語・日本語で併記する、ミーティングを通訳してもらうなど。クレジットカードの法律など日本語でも理解が難しいものがあり、それは日本語がメインとなっている。
- W 氏が使っているフレーズをひたすらメモして自分も使うということを繰り返した
- 3ヶ月くらいでメモする回数がかなり減っていた
- それほど限られた語彙でも会話は一定成立した (ニュアンスがおかしかったり、違和感がある表現はあるかも)
- W 氏の日本語上達が速い
- 日本人は英語学習・実践に充てている時間が圧倒的に少ない
- 圧倒的に時間をかけて学習している、かつ業務で実践しているからだと肌で感じた
- シンプルに話すための訓練が必要
- 日本語でもうまく話せない事柄は英語でもうまく話せないと気づく
- 日本語では話しながら思考を整理していく=ダラダラ長い話をしてしまう、ということがある
- 自分の中でポイントを整理できていれば、シンプルに短く要点を伝えてコミュニケーションできる(言語は問わない)
- 例えば、ネイティブは能動態を使ってシンプルに話す印象がある。日本人は受動態で話しがちでよけい複雑になっている、というケースがある
- そもそもシンプルな英語表現しかできないのだから、事前に思考を整理した上で短いコミュニケーションが求められる
- 英語は筋トレ
- 数ヶ月、別プロジェクトにスポットで取り組むことになり、英語実践環境から離れる期間があった
- 数ヶ月後にはうまく話せなくなっていた
- 筋トレのように継続しないと衰えは早い
後半
- チームとして英語コミュニケーションの機会を増やしている
- 例えばチーム内コミュニケーションで使う言語を英語に統一 するなどしている
- 一時的にストレッチ状態になり痛みは伴うが、その分皆が成長しているのがわかる
- やさしい日本語が難しい
- やさしい日本語は、スラングを使わないことや慣用句・熟語を使わないということが求められる
- それを意識しながら話すのは非常に疲れる。逆も同じ。ネイティブが自分たちの英語レベルにあわせてやさしい英語を使うようにしてくれていると思うと、より早く上達せねばという気になる。
- やさしい英語が難しい
- 比較的英語に慣れていない日本人に、日本人が話す英語が伝わらないことがある。
- チームの共通言語集をもつことでその解決に役立った。例えば、Engineer Vocabulary List in Japanese/English エンジニア向け日英ボキャブラリーリストが非常に実践的で役立った